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国内外ガイドラインにおける長期予防治療の提言

国内外ガイドラインにおける長期予防治療の提言


補体学会ガイドライン

遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)
診療ガイドライン 改訂2023年版

日本補体学会による「遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)診療ガイドライン 改訂2023年版」では、HAEの治療目標を「疾病負荷のない日常生活を可能な限り目指すことである」とし、患者さん個々に応じた長期予防について提言している。  

  • HAEの治療目標は疾病負荷のない⽇常⽣活を可能な限り⽬指すことである。
  • 疾病負荷とは、発作のある時も発作のない時も患者が常に直面している肉体的、精神的、社会的な重荷、負担である。次の発作への恐れと不安、治療への不満、教育や仕事のキャリア形成の断念、抑うつ、トリガーを避けるため生活習慣の制限などその内容は多岐にわたる。
  • 長期予防の進歩は著しいが、画一的な基準は設定しがたい。患者ごとに、年齢や家族構成、社会的、経済的な背景、治療方法への嗜好性、医療機関へのアクセスなど状況は異なり、また発作の回数や重症度が変化するためである。
  • 医師と患者が最新の情報を適宜共有し、お互いに納得したうえで治療方法を決定し、生活を健全化するように努めることが重要である。
  • 患者が自身の発作の状況、QOLを記録することは治療方針の決定に役立つ。血管性浮腫の重症度やQOLを評価するAAS(Angioedema Activity Score)やAE-QoL(Angioedema Quality of Life Questionnaire) の日本語版での評価が可能である。

 

 

HAE診療ガイドライン改訂2023年版 推奨:CQ2、CQ7

画像(PC)
HAE診療ガイドライン
本文

堀内孝彦 他. 補体 vol. 60, No. 2. 103-131, 2023.

画像(SP)
HAE診療ガイドライン
本文

堀内孝彦 他. 補体 vol. 60, No. 2. 103-131, 2023.


WAO/EAACIガイドライン

WAO/EAACIガイドラインの治療目標及び長期予防に関する推奨事項

HAEに関する海外ガイドラインの一つであるWAO/EAACI 2021年版では、長期予防について次のような推奨文が記載されています。

  • HAEにおける治療目標は、疾患の完全なコントロールを達成し、患者の生活を健全化することである。これは現在のところ、長期予防(LTP)と呼ばれる長期の予防的治療、すなわち発作を予防し、疾病負荷を軽減する薬剤を定期的に使用することによって達成できる。
  • 長期予防は、すべてのHAE 1型/2型患者に対して、疾患活動性、患者QOL、医療資源の利用可能性、適切なオンデマンド治療で十分な疾患コントロールを達成できないことを考慮して、個別に決定する。
  • HAE患者は、疾患活動性、疾患の影響、および疾患コントロールをモニタリングすべきであり、これは長期予防薬を使用中の患者において特に重要である。
  • LTPを成功させるには、高度な治療遵守が必要であり、患者の好みも考慮する必要がある。そのためには、適切で包括的な医師ー患者間のコミュニケーションと、そのための時間が必要である。

 

WAO/EAACIガイドラインの治療目標及び長期予防に関する推奨事項


 

画像(PC)
WAO/EAACIガイドライン
本文

Maurer M, et al. Allergy, 2022; 77(7): 1961-1990

画像(SP)
WAO/EAACIガイドライン
本文

Maurer M, et al. Allergy, 2022; 77(7): 1961-1990


US HAEAガイドライン

US HAEAガイドラインにおける長期予防の位置づけと推奨文

US HAEAガイドラインでは、長期予防について以下のように位置付けられています。また、HAE患者さんのQoLを考慮した長期予防が提言されており、静注C1-INH製剤、皮下注C1-INH製剤、ラナデルマブによるHAE発作の予防治療が推奨されています。

 

US HAEAガイドラインにおける長期予防の位置づけ


  • US HAEAガイドラインでは、長期予防の決定において患者個々のニーズを反映し、患者のQoLと治療の嗜好性を考慮すべきであるとされている。
  • 長期予防の決定について、厳格な基準はないが、患者個々のニーズを反映すべきである。
  • どの患者に長期予防を考慮すべきかの決定には、発作頻度、発作の重症度、併存疾患、緊急治療へのアクセスの観点から、患者のQoLと治療の嗜好性を考慮すべきである。
  • 疾患の重症度は経時的に変化する可能性があるため、長期予防の開始又は継続の必要性は定期的に見直し、患者と話し合うべきである。

US HAEAガイドラインにおける予防治療の推奨文


画像(PC)
US HAEAガイドライン
本文

 

  • エビデンスレベルと推奨度の定義

 

エビデンスレベル
高い、中程度、低いの3つのカテゴリーのいずれかに割り当てられた。
「高い」は、適切にデザインされた無作為化比較試験又は大規模で臨床的に重要なエフェクトサイズの観察研究のいずれかから得られたエビデンスに割り付けられた。
「中程度」は、重要なリミテーションがある無作為化試験又は効果の大きさが明確で一貫している観察研究からのエビデンスに割り付けられた。「低い」は、「高い」又は「中程度」の質を達成できなかったエビデンスに割り付けられた。

 

推奨度の強さ
「強い」又は「弱い」と評価した。既存のエビデンスに基づく推奨に著者が確信を持っている場合、又はリスク/ベネフィット比が説得力のあるものである場合、「強い推奨」が与えられた。これらの1つがない場合、「弱い推奨」とされた。
US HAEA Medical Advisory Boardは11名の臨床医で構成されており、WAO/EAACIガイドラインの著者が含まれる。

 

Busse PJ, et al. J Allergy Clin Immunol Pract. 2021; 9(1): 132-150.

画像(SP)
US HAEAガイドライン
本文

 

  • エビデンスレベルと推奨度の定義

 

エビデンスレベル
高い、中程度、低いの3つのカテゴリーのいずれかに割り当てられた。
「高い」は、適切にデザインされた無作為化比較試験又は大規模で臨床的に重要なエフェクトサイズの観察研究のいずれかから得られたエビデンスに割り付けられた。
「中程度」は、重要なリミテーションがある無作為化試験又は効果の大きさが明確で一貫している観察研究からのエビデンスに割り付けられた。「低い」は、「高い」又は「中程度」の質を達成できなかったエビデンスに割り付けられた。

 

推奨度の強さ
「強い」又は「弱い」と評価した。既存のエビデンスに基づく推奨に著者が確信を持っている場合、又はリスク/ベネフィット比が説得力のあるものである場合、「強い推奨」が与えられた。これらの1つがない場合、「弱い推奨」とされた。
US HAEA Medical Advisory Boardは11名の臨床医で構成されており、WAO/EAACIガイドラインの著者が含まれる。

 

Busse PJ, et al. J Allergy Clin Immunol Pract. 2021; 9(1): 132-150.