CMV感染・感染症
<p><span style="font-family:'Noto Sans', -apple-system, BlinkMacSystemFont, 'Segoe UI', Roboto, 'Helvetica Neue', Arial, 'Noto Sans', sans-serif, 'Apple Color Emoji', 'Segoe UI Emoji', 'Segoe UI Symbol', 'Noto Color Emoji';">疾患基礎情報から診断治療にいたるまでの情報サイト</span></p>
固形臓器移植(SOT)におけるCMV感染・感染症
監修:齋藤 満先生 秋田大学医学部附属病院 血液浄化療法部 准教授
CMV感染のリスク因子
CMV感染はCMV IgG抗体陽性ドナー/抗体陰性レシピエント(D+/R-)の場合にリスクが高く、次いでD+/R+、D-/R+、D-/R-の順にリスクは低下すると考えられています。臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン2022(以下、「臓器移植関連CMV感染症診療ガイドライン」)では、リスク層別化のために移植前のCMV lgG抗体測定が推奨されています。
また、移植前処置としてT細胞除去療法がなされている患者さん、免疫抑制薬が高用量投与されている患者さん、移植後に急性拒絶反応を起こし免疫抑制強化療法を受けた患者さんなども高リスクであるとされています。
3. 感染・感染症のリスク因子
CQ Ⅷ-3-1 CMV感染のリスク因子は何か
【臓器共通】
CMV lgG抗体陽性ドナー(D+)/抗体陰性レシピエント(R-)は高リスク因子である。
<推奨グレード強エビデンスレベルA>
D+/R-、D+/R+、D-/R+、D-/R-の順にリスクは低下する。
D+/R-は高リスク、D+/R+とD-/R+は中間リスク、D-/R-は低リスク、とされている。
また、T細胞除去、高用量免疫抑制下、急性拒絶反応治療なども高リスクとなる。
CMV感染症の診断
CMV感染症は、病状や組織障害を伴うCMV感染と定義されており、さらにCMV症候群(CMV syndrome)とCMVによる臓器障害を伴う感染症(tissue-invasive CMV disease)に分類されます。
臓器移植関連CMV感染症診療ガイドラインでは、それぞれにおける確定診断と臨床診断の基準(米国移植学会)が示されています。
表. CMV感染症の種類と確定診断・臨床診断(米国移植学会)
CMV感染・感染症のモニタリングと治療
CMV感染症と診断された場合は抗ウイルス薬による治療(±免疫抑制薬の減量)が行われますが、予防投与及びモニタリングに基づいた先制治療はCMV感染症の発症抑制に有用であるとされています。
先制治療を選択した場合、移植後3ヵ月までは週1回の頻度でCMV抗原血症検査又はPCR法によるCMVモニタリングを行うことが推奨されます。一方、抗ウイルス薬を予防投与している間は定期的なCMVモニタリングを実施せず、予防投与終了後に週1回の頻度で3ヵ月間CMVモニタリングを実施することが推奨されます。なお、CMVモニタリングに基づいた先制治療の開始基準は各施設で異なっており、国内で一致したコンセンサスは得られていません。
定期的なCMVモニタリングは、移植後又は予防投与終了後12週以降に不要になる可能性があるものの、臓器によっては、リスクに応じたモニタリング期間の延長が推奨されています。
SOT(固形臓器移植)
固形臓器移植後のCMV感染対策及びCMV感染症の治療フロー
CMV感染・感染症 コンテンツ一覧