免疫不全ライブラリー
原発性免疫不全症候群(PID)の症状
● 原発性免疫不全症を疑う特徴は、易感染症です1。
● 易感染性2には、以下の特徴が挙げられます。
PIDにおける代表的な症状は、"PIDを疑う10の徴候"としてまとめられています。
多くのPID患者は、しばしば慢性又は再発性感染症を呈します3。
- Immune Deficiency Foundation(IDF)による2008年の調査では、患者の93%が診断前に重篤又は稀な感染症を繰り返し発症していたことが報告されています(n=1030)4。
- PID患者の感染部位は、副鼻腔、気管支、肺及び腸管などが挙げられています5。
・消化管感染症により、下痢や栄養吸収不良を起こす可能性があります。
一部のPID患者は、非感染性の合併症が起こりやすいとされています5。
- 悪性腫瘍、自己免疫疾患及びアレルギーを含みます。
Reference
1.McCusker C, et al. Allergy Asthma Clin Immunol. 2018, 14(Suppl 2): 61
2.矢田純一 医系免疫学改訂16版 中外医学社; 2021
3.Buckley RH, ed. Immune Deficiency Foundation Diagnostic and Clinical Care Guidelines for Primary Immunodeficiency Diseases. 3rd ed. IDF; 2015
4.IDF. Treatment Experiences and Preferences Among Patients With Primary Immunodeficiency Diseases. National Survey of Patients: 2008. IDF; 2008
5.Blaese RM, et al. eds. The Immune Deficiency Foundation Patient & Family Handbook for Primary Immunodeficiency Diseases. 6th ed. IDF; 2013. reprint 2019.
PIDにおける早期診断の意義
PIDの認知度の低さにより、診断の遅れが報告されています1.2。
PIDでは、反復性もしくは慢性の感染症が主訴となりえます。
診断の前後12か月間における感染歴を比較すると、PIDとの診断後、感染歴の減少を示唆するデータが示されました3。
- 早期診断により適切な治療を早く受けることによって、PIDの早期の診断・治療の重要性が考えられます。
PID診断前後12か月における感染症罹患数3
Reference
1.Arslan S, et al. Ann Allergy Asthma Immunol 2016; 116: 151
2.Samarghitean C, et al. J Immunol 2009; 183. 11: 7569-75
3.Modell V, et al. Immunol Res. 2016; 64(3): 736‒75