遺伝性血管性浮腫(HAE)の可能性はありませんか?
HAE患者さんのほとんどが、腹部発作※1を繰り返し経験しています
※1 腸管の浮腫に起因
腹部発作を繰り返し経験した患者の割合
93.3%(195/209例)
Bork K et al: Am J Med 2006; 119: 267-274.
腹部発作を繰り返し経験した患者の割合
93.3%(195/209例)
Bork K et al: Am J Med 2006; 119: 267-274.
腹痛を訴える患者さんの中には
HAEの方が含まれている可能性があります
HAEとは
■遺伝性の血管性浮腫
HAEは、1888年に “家族性に血管性浮腫を生じる疾患”として報告された1)、非常にまれな遺伝性の血管性浮腫です。HAEでは、毛細血管の拡張と透過性を亢進するブラジキニンが主なメディエーターとして働き、皮膚や粘膜深部に一過性の浮腫を生じます。
■HAEの浮腫はさまざまな部位に起こり、繰り返す
浮腫の発作は、顔面や口唇、四肢、消化管などのさまざまな部位に繰り返します。
■消化管の浮腫は強い腹痛を、喉頭の浮腫は呼吸困難を引き起こす
特に、消化管に浮腫を生じると激烈な腹痛が起こることがあり、喉頭に浮腫を生じると呼吸困難や窒息をきたすこともあります。
■HAEは希少疾患
HAEは古くから知られていますがまれな疾患で、欧米ではその発症頻度は5万人に1人程度といわれ、人種差もないといわれています2, 3)。
■知っていれば診断可能
疾患を知っていれば診断は比較的容易であり、診断がつけば有効な治療を受けることができます。しかし、実臨床で診断・治療する機会は少ないことや、一見すると一連の症状に関連性が乏しいため、診断に難渋することが多く、長年診断がつかず苦しまれている患者さんが多いのが現状です。
HAEをとりまくわが国の現状
未診断患者を含む患者数(有病率3)より推定)2,500人
初発からHAEと診断されるまでの期間4)平均13.8年
HAEでは、局所性浮腫が全身のあらゆる部位に生じます
■HAEの発作部位
■HAE発作の部位別頻度(海外データ)
浮腫の発現場所は、皮膚、腹部、喉頭の順に多いとされます。
皮膚、腹部、その他臓器における発作頻度
(全131,110回の発作の部位別頻度)
目的:遺伝性血管性浮腫(HAE)に特異的な腫脹パターンを確立するために、長期経過を評価することにより浮腫の経時変化及び分布様式を検討する。
対象:Mainz大学(ドイツ)皮膚科の血管性浮腫外来に通院する患者のうち、血漿中C1-INH及びC4の欠損が確認され、臨床症状を呈したHAE患者209例
試験方法:症例報告に基づいて後方視的に解析した。診察時にその時点までに経験したすべての部位の発作について、標準化された質問票とスコアによりデータを収集した。また、患者が自宅で記入した腫脹日誌を分析し、発作を確認した時間、持続時間、重症度、及び発作部位のデータを収集した。患者ごと及び発作ごとにデータを表示した。
Limitation:後方視的に収集した腫脹の頻度と部位に関するデータは患者の想起に基づいているため、特に四肢や腹部など頻度の高い腫脹部位の情報は正確でない可能性がある。
Bork K et al: Am J Med 2006; 119: 267-274.
1)Osler W: Am J Med Sci 1888; 95: 362–367.
2)堀内孝彦ら. 補体.2020; 57(1): 3-22.
3)Bowen T et al: Ann Allergy Asthma Immunol 2008; 100: S30-40
4)Ohsawa I et al: Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 114: 492-498
目的:遺伝性血管性浮腫(HAE)に特異的な腫脹パターンを確立するために、長期経過を評価することにより浮腫の経時変化及び分布様式を検討する。
対象:Mainz大学(ドイツ)皮膚科の血管性浮腫外来に通院する患者のうち、血漿中C1-INH及びC4の欠損が確認され、臨床症状を呈したHAE患者209例
試験方法:症例報告に基づいて後方視的に解析した。診察時にその時点までに経験したすべての部位の発作について、標準化された質問票とスコアによりデータを収集した。また、患者が自宅で記入した腫脹日誌を分析し、発作を確認した時間、持続時間、重症度、及び発作部位のデータを収集した。患者ごと及び発作ごとにデータを表示した。
Limitation:後方視的に収集した腫脹の頻度と部位に関するデータは患者の想起に基づいているため、特に四肢や腹部など頻度の高い腫脹部位の情報は正確でない可能性がある。
Bork K et al: Am J Med 2006; 119: 267-274.
1)Osler W: Am J Med Sci 1888; 95: 362–367.
2)堀内孝彦ら. 補体.2020; 57(1): 3-22.
3)Bowen T et al: Ann Allergy Asthma Immunol 2008; 100: S30-40
4)Ohsawa I et al: Ann Allergy Asthma Immunol 2015; 114: 492-498