リプレガル点滴静注用3.5㎎ 発売中
リプレガルについて
ファブリー病とは
ファブリー病は、細胞内ライソゾームの酵素α-ガラクトシダーゼA(α-galactosidase A: GLA)の遺伝子(GLA)変異により発症する先天代謝異常症です。GLAの酵素活性が低下することで、基質のセラミドトリヘキソシド(ceramide trihexoside: CTH、別名グロボトリアオシルセラミド、globotriaosylceramide: Gb3またはGL3)が腎臓や心筋、血管内皮細胞、自律神経節、汗腺、角膜などの組織に蓄積し、四肢末端痛や発汗障害、その他、腎機能障害、心機能障害、脳血管障害、下痢・腹痛などの消化器症状、難聴・めまいなどの耳鼻科的症状、被角血管腫、角膜混濁など多彩な臨床症状を示します。
8th ed, New York, McGraw-Hill, 2001, 3733-3774.
日本先天代謝異常学会. ファブリー病診療ガイドライン2020. 診断と治療社, 2021.
小児慢性特定疾病情報センター(https://www.shouman.jp/disease/details/08_06_091/)
(2022年9月1日閲覧)
CTHの代謝と細胞内への蓄積
1) 櫻庭均. ライソゾーム病. 診断と治療社, 2011, 14-18.
2) 櫻庭均. ファブリー病 UpDate. 診断と治療社, 2013, 18-24.
1),2)を参考に作成
1) 櫻庭均. ライソゾーム病. 診断と治療社, 2011, 14-18.
2) 櫻庭均. ファブリー病 UpDate. 診断と治療社, 2013, 18-24.
1),2)を参考に作成
酵素補充療法について
細胞内で産生されたα-ガラクトシダーゼAは、ライソゾーム中に運ばれてその機能を発揮しますが、それ以外にも細胞外に分泌されるα-ガラクトシダーゼAが存在することが知られています。これらは、その糖鎖部分のマンノース-6-リン酸(M6P)残基が細胞表面のM6Pレセプターに結合することにより捕捉され、再び細胞内に取り込まれてライソゾームに送られます。この輸送システムに注目し、α-ガラクトシダーゼAを静脈内に投与することによって、ファブリー病患者のライソゾームに有効に到達させることが可能と考えられ、α-ガラクトシダーゼAの補充療法が検討されてきました。
α-ガラクトシダーゼA補充療法
公開用欧州審査報告書、2001年10月13日
公開用欧州審査報告書、2001年10月13日
リプレガルとは
リプレガルは、遺伝子活性化技術により内因性α-ガラクトシダーゼA(GLA)遺伝子の発現を活性化したヒト線維肉腫細胞株を用いて、生産されたα-ガラクトシダーゼ酵素製剤です。遺伝子活性化技術とは遺伝子組換え技術の一種であり、調節配列および構造配列を、ヒトGLA遺伝子上流の特定の位置で染色体DNAに挿入することにより、内因性のヒト遺伝子部分を活性化する方法です。これにより産生されたリプレガルは、内因性GLAと同等の活性が認められ、また、糖鎖部分にマンノース-6-リン酸(M6P)を有し、M6Pレセプターを介して細胞内に取り込まれることが確認されています。リプレガルは、下記のようにヒト繊維肉腫細胞から生産されます。