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このFAQに記載の情報は、製品の適正使用にあたっての参考情報であり、全てのケースにあてはまるものではありません。そのため、「FAQ」のご利用に関して生じた結果については、責任を負いかねますので、ご了承ください。製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。また、製品に関してご不明な点がございましたら、弊社くすり相談室(0120-566-587)にお問い合わせください。

1.特殊背景患者

A

肝機能障害のある患者さんに対しては、タケキャブの代謝、排泄が遅延することや、クラリスロマイシンが肝機能障害を悪化させる可能性があることを考慮し、慎重投与の対象です。
肝機能障害時(肝硬変)におけるヘリコバクター・ピロリの除菌のための薬物投与量について記載された具体的な情報はありません。

(参考資料)
ボノサップパック400・800 電子添文

A

一般的に高齢者では肝機能および腎機能などの生理機能が低下していることが多く、薬剤を投与した際に血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなる可能性が考えられます。

次の点に注意し、患者さんの状態を観察しながら慎重に投与をお願いします。

特定の背景を有する患者に関する注意1)

9.8 高齢者
一般に、肝機能、腎機能等の生理機能が低下している。アモキシシリン水和物による副作用が発現しやすく、クラリスロマイシンの高い血中濃度が持続するおそれがある。またアモキシシリン水和物によるビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

参考)
ビタミンKは食事からの摂取量に加え、腸内細菌により産生されますが、抗菌薬の投与により腸内細菌によるビタミンK産生量が低下することが知られている。
高齢者では、腸管からのビタミンK吸収量が低下すると考えられており、注意が必要である2)

(参考資料)

  1. ボノサップパック400・800 電子添文
     
  2. 日本人の食事摂取基準(2020年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書
    https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf(閲覧日:2023年9月23日)

A

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

参考)
■ボノプラザンフマル酸塩
動物試験(ラット)において、40mg/日でのヒトにおけるタケキャブの曝露量(AUC)の約28倍を超える曝露量で、胎児体重および胎盤重量の低値、外表異常(肛門狭窄および尾の異常)、並びに内臓異常(膜性部心室中隔欠損および鎖骨下動脈起始異常)が認められています。

■クラリスロマイシン
母動物に毒性があらわれる高用量において、胎児毒性(心血管系の異常、口蓋裂、発育遅延等)が報告されています。なお、国外における試験で次のような報告があります。SD系ラット(15~150mg/kg/日)およびCD-1系マウス(15~1,000mg/kg/日)において、それぞれ母動物に毒性があらわれる最高用量でラット胎児に心血管系異常並びにマウス胎児に口蓋裂が認められました。また、サル(35~70mg/kg/日)において、母動物に毒性があらわれる70mg/kg/日で9例中1例に低体重の胎児がみられましたが、外表、内臓、骨格には異常は認められませんでした。

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 インタビューフォーム

A

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

参考)
■ボノプラザンフマル酸塩
[参考:ラット]
授乳ラットに[14C]ボノプラザンフマル酸塩(ボノプラザンとして2mg/kg)を経口投与したとき、投与後15分~24時間までの母体血漿及び乳汁中総放射能に対するボノプラザンの割合はそれぞれ0.0~7.7%及び0.0~22.7%であった。ボノプラザンフマル酸塩及びその由来成分の一部が乳汁へ移行し、一部はボノプラザンとしても乳汁に移行することが示された。

■アモキシシリン水和物
[外国人データ]
出産3日後の女性6例にアモキシシリン水和物1,000mg(力価)を経口投与したとき、乳汁中濃度は4〜5時間後に0.68〜1.30μg/mLとピークに達し、平均値は0.90±0.23μg/mL(標準偏差)であった。

■クラリスロマイシン
[外国人データ]
産褥期感染症の女性にクラリスロマイシン250mg(力価)を1日2回、6日間投与したとき、母乳中のクラリスロマイシン及び14位水酸化体(代謝物)の濃度は、それぞれ血中濃度の約25%、約75%であった。

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 インタビューフォーム

2.用法用量

A

ボノサップパック400・800による除菌治療は、3剤を1日2回7日間きちんと忘れずに飲み切ることが重要です。
薬を飲み忘れた場合、次のように対処してください。

● 飲み忘れた場合は、気が付いたときに1回分を飲んでください。ただし、次の服用時間が5時間以内の場合は、飲まないでおき、次に飲む時間から飲んでください。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

(参考資料)

  • ボノサップパック400/800 くすりのしおり

A

電子添文上、服用タイミング、間隔について特に規定はありません。用法及び用量は1日2回のみの記載となっています1)
患者さんのコンプライアンスのよい時に、朝・夕での服用をご指導ください。
ただし、抗生物質、特にアモキシシリンは時間依存性の抗生物質なので、12時間ごとの服用をお勧めします。
なお、ボノプラザンの体内動態に及ぼす食事の影響は、絶食下投与と比較して食後投与でTmaxが延長しましたが、AUC0-48及びCmaxは、絶食下投与と食後投与で同程度でした2)

(参考資料)

  1. ボノサップパック400・800 電子添文
  2. ボノサップパック400・800 インタビューフォーム

3.安全性

A

ボノプラザンは主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19およびCYP2D6で代謝されます。
また、ボノプラザンの胃酸分泌抑制作用により、併用薬剤の吸収を促進または抑制する可能性があります。

クラリスロマイシンはCYP3A阻害作用を有することから、CYP3Aで代謝される薬剤と併用したとき、併用薬剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性があります。また、クラリスロマイシンはP-糖蛋白質に対する阻害作用を有することから、P-糖蛋白質を介して排出される薬剤と併用したとき、併用薬剤の排出が阻害され血中濃度が上昇する可能性があります。
一方、クラリスロマイシンはCYP3Aによって代謝されることから、CYP3Aを阻害する薬剤と併用したとき、クラリスロマイシンの代謝が阻害され未変化体の血中濃度が上昇する可能性があり、また、CYP3A4を誘導する薬剤と併用したとき、クラリスロマイシンの代謝が促進され未変化体の血中濃度が低下する可能性があります。

<併用禁忌>
ボノプラザン、クラリスロマイシンの併用禁忌に準じて設定しています。
アモキシシリン水和物で併用禁忌に該当する医薬品はありません。
詳細は電子添文の相互作用の項をご確認ください。

<併用注意>
ボノプラザン、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの併用注意に準じて設定しています。
詳細は電子添文の相互作用の項をご確認ください。

■ボノプラザンの併用注意薬剤名等
CYP3A4阻害剤(クラリスロマイシン等)、ジゴキシン、メチルジゴキシン、イトラコナゾール、チロシンキナーゼ阻害剤(ゲフィチニブ、ニロチニブ、エルロチニブ)、ネルフィナビルメシル酸塩、CYP3A4で代謝される薬剤(ミタゾラム等)

■アモキシシリン水和物の併用注意薬剤名等
ワルファリンカリウム、経口避妊薬、プロベネシド

■クラリスロマイシンの併用注意薬剤名等
ジゴキシン、スルホニル尿素系血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、グリメピリド等)

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 電子添文

A

ボノサップパック400・800の電子添文に「投与しないこと。アモキシシリン水和物、クラリスロマイシンの血中濃度が上昇することがあり、本製品では各製剤の投与量を調節できない。」と記載があります。

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 電子添文

A

クラリスロマイシン(クラリス錠)の電子添文(添付文書)に基づき設定したに準じて設定しています。
コルヒチンとクラリスロマイシンを併用した場合に、コルヒチン血中濃度上昇に伴う中毒症状(汎血球減少、肝機能障害、筋肉痛、腹痛、嘔吐、下痢、発熱等)が報告されています。
コルヒチンはCYP3A4で代謝されるため、CYP3A4阻害作用を有するクラリスロマイシンとの相互作用により、コルヒチンの血中濃度が上昇し、作用が増強する可能性があります。

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 電子添文
  • クラリス錠200 添付⽂書
  • ボノサップパック400・800 インタビューフォーム
  • コルヒチン錠0.5mg「タカタ」 添付⽂書

A

現時点で電子添文記載にいたるまでの情報が集積されていません1)
なお、開発時の臨床試験では報告はありませんでした2)

(参考資料)

  1. タケキャブ錠/OD錠 10mg・20mg 電子添文
  2. タケキャブ錠/OD錠 10mg・20mg インタビューフォーム
     

4.製剤関連

A

ボノサップパック400・800の各錠剤の重さ・大きさは下記のとおりです1)

錠剤名タケキャブ錠 20mgアモキシシリン水和物 250mg(2号)クラリスロマイシン 200mg
長径(mm)11.218.8
短径(mm)6.26.3
直径(mm)約8.6
厚さ(mm)約3.9約5.4
質量(mg)約229377約250

参考)
ボノサップパック400・800は以下の3製剤を組み合わせたものです。

ボノサップパック400
1シート(1日分)中
タケキャブ錠20mg
アモキシシリンカプセル250mg「武田テバ」
クラリス錠200mg
2錠
6カプセル
2錠
ボノサップパック800
1シート(1日分)中
タケキャブ錠20mg
アモキシシリンカプセル250mg「武田テバ」
クラリス錠200mg
2錠
6カプセル
4錠

ボノサップパック400・800の形状(PTP包装1シート)

(参考資料)

  1. ボノサップパック400・800 インタビューフォーム

A

ボノサップパック400・800製剤は、そのまま処方していただくための製剤です。
脱カプセルが必要な場合は、それぞれの薬剤のカプセル以外の剤形を単剤で処方いただくことをお勧めします。

(参考資料)

  • ボノサップパック400・800 添付文書

A

ボノサップパック400・800は「パック製剤」のため粉砕投与を想定していません。
粉砕での使用は承認外の用法であり、粉砕したものをヒトに投与した際の有効性・安全性については検討していません。

A

ボノサップパック400・800は「パック製剤」のため分包または一包化は想定していません。

A

ボノサップパック400・800は、タケキャブ20mg、アモキシシリンカプセル250mg「武田テバ」及びクラリス錠200の3剤を組み合わせたものです。

◇タケキャブ(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)
主に肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝され、一部CYP2B6、CYP2C19及びCYP2D6で代謝されます[in vitro1)
また、硫酸転移酵素SULT2A1でも代謝されます[in vitro2,3)

◇アモキシシリン水和物
penicilloic acidに代謝され、さらにpenamaldic acidに代謝されます4)

◇クラリスロマイシン
主に肝薬物代謝酵素CYP3A4により代謝されます[ラット、イヌ]。また、CYP3A4に対する阻害作用を有します[ラット、イヌ]5-7)

(参考資料)

  1. ボノサップパック400・800 インタビューフォーム
  2. ボノプラザンの薬物動態試験成績4(CYP分子種の同定)(社内資料).
  3. ボノプラザンの薬物動態試験成績5(SULT分子種の同定)(社内資料).
  4. Uno T, et al.: Chem Pharm Bull. 1981; 29(7): 1957-1968.
  5. Rodrigues AD, et al.: Drug Metab Dispos. 1997; 25(5): 623-630.
  6. Westphal JF.: Br J Clin Pharmacol. 2000; 50(4): 285-295.
  7. Suzuki A, et al.: Drug Metab Pharmacokinet. 2003; 18(2): 104-113.

5.その他,

A

電子添文上、当該薬との併用に関して注意喚起はしておりません。
タケキャブと他の防御因子増強剤を併用した場合の影響について弊社で検討した成績はありません。
なお、保険請求の可否については、請求先の審査機関でご確認ください。

(参考資料)

  • タケキャブ錠/OD錠 10mg・20mg 電⼦添⽂

A

除菌治療の時期については、患者さんの状態に合わせて選択してください。

参考)
「除菌治療の時期は症例に応じて考慮すべきで、一般に重症例については抗潰瘍治療をまずおこない、軽症例では除菌治療からおこなってもよいことが多い。」と記載されている報告があります。

(参考資料)

  • Helicobacter Research 23(2)p.181-183 2019

A

飲み忘れが除菌率に与える影響について検討したデータはありません。

参考)
PPIを使用した1次除菌療法において、5日間と7日間投与の比較では5日間投与の除菌率は有意に低かったことが報告されています。

(参考資料)

  • Scand J Gastroenterol. 2001 Jun; 36(6): 584-8.

A

様々な国の報告のメタ解析の結果として、再感染率は年率3.1%であったことが報告されています1)

また日本における再感染率については、年率2%以下と報告されています2)

(参考資料)

  1. Aliment Pharmacol Ther+D8. 2017 Nov;46(9):773-779.
  2. 消化性潰瘍診療ガイドライン2020改訂第3版:日本消化器病学会編集、南江堂、p.56

A

明確な使い分けはありません。
ボノプラザンの臨床試験(CCT-401:非劣性試験)において、クラリスロマイシン400mg投与群と800mg投与群では除菌率がそれぞれ93.3%、91.9%で、クラリスロマイシンの投与量は除菌率に影響を及ぼしませんでした。

クラリスロマイシンの用量は、医療機関にてご判断いただきますようお願いいたします。

(参考資料)

  • タケキャブ錠 申請資料概要 臨床に関する概括評価, p120-121.

A

二次除菌療法の間は、アルコールの接種(飲酒)を避けてください。

メトロニダゾールがアルデヒド脱水素酵素を阻害し、血中アセトアルデヒド濃度を上昇させ、アンタビュース様作用(顔面紅潮、悪心・嘔吐、血管性頭痛等の急性アルコール中毒症状)が発現する可能性があります。

一般的に、除菌率に飲酒は関係しないと考えられていますが、アルコールは、急性胃潰瘍の重要な病因の1つですので、適度な飲酒に留めた方がよいと考えます1)

(参考資料)

  1. EBMに基づく胃潰瘍診療ガイドラインQ&A:胃潰瘍ガイドラインの適用と評価に関する研究班編集、平成20年5月15日、じほう社

A

アモキシシリン水和物については、武田テバ薬品に製造委託しています、クラリスロマイシンは大正製薬のクラリス錠です。

(参考資料)
ボノサップパック400・800 電子添文