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このFAQに記載の情報は、製品の適正使用にあたっての参考情報であり、全てのケースにあてはまるものではありません。そのため、「FAQ」のご利用に関して生じた結果については、責任を負いかねますので、ご了承ください。製品のご使用にあたっては、最新の電子添文をご確認ください。また、製品に関してご不明な点がございましたら、弊社くすり相談室(0120-566-587)にお問い合わせください。

1.製品について

A

SPLine株式会社(メディパルグループ)です。

A

本剤は納入制限・登録制ではありません。

A

統一商品コード:123161534
HOT番号:1237900030101
使用期限:2年(外箱に表示)
貯法:室温保存

A

白色の硬カプセル剤です(4号カプセル)。

A

製剤の各種条件下における安定性は以下の通りです。

試験名保存条件保存形態保存期間結果
長期保存試験25℃/60%RHPTP包装24ヵ月*顕著な変化は認められなかった。
中間的試験30℃/65%RH24ヵ月*顕著な変化は認められなかった。
加速試験40℃/75%RH6ヵ月6ヵ月目に溶出遅延が認められた。
苛酷試験
(光)
25℃/60%RH
1.728×106Lux.hr
276W.h/m2
開放又はアルミ
箔で被覆
10日間類縁物質の合計に、わずかな増加が
認められた。

*2ロットは12ヵ月まで実施済み

(参考資料)
アグリリンカプセル0.5mg インタビューフォーム

2.投与に際しての注意事項

A

血小板の前駆細胞である巨核球に選択的に作用することで血小板産生を抑制すると推定されています1)
詳細は作用部位・作用機序の項をご参照ください。

(参考資料)
アグリリンカプセル0.5mg 製品情報概要

A

投与12ヵ月時点で、4週間以上にわたり、血小板数を60万/μL未満にコントロールできた患者割合は67.9%でした。
血小板数40万/μL以下であった患者割合は45.3%、ベースライン値から血小板数が50%以上減少した患者割合は50.9%でした。

国内第Ⅲ相臨床試験の詳細は国内臨床成績の項をご参照ください。

A

本剤を投与された53例のうち45例は血小板凝集抑制作用を有する薬剤を一時的又は恒常的に併用投与され、この45例中7例(15.6%)に血栓・出血性事象の副作用が報告されました[国内第Ⅲ相臨床試験(SPD422-308試験及びSPD422-309試験)]。
本剤はPDEⅢ阻害作用による血小板凝集抑制作用を有していますので、血小板凝集抑制剤と併用投与した場合、血小板凝集抑制を増強する可能性が考えられます。本剤と血小板凝集抑制剤とを併用する場合には個々の患者の状態を十分に観察し、慎重に判断してください。
日本のガイドライン1)では、低リスク本態性血小板血症のうち、心血管リスク因子やJAK2変異を有する症例について、血栓症発症リスクを低下させるためアスピリンの投与が推奨されています。一方で、低リスク本態性血小板血症でも、血小板数が100万/μL超の場合は後天性von Willebrand病を併発し、易出血傾向を来すことから、von Willebrand因子の活性が30%未満の症例には、アスピリンの投与は控えることを推奨する報告2)もあります。

(参考資料)

  1. 日本血液学会 編: 造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年版 WEB版(第1.1版), 2017
  2. Tefferi A, et al.: Am J Hematol 92(1): 95-108, 2017

A

1回0.5mgを1日2回経口投与より開始し、血小板数の管理状況と副作用の発現状況に基づいて1日の投与量、服用回数を調節してください。増量する場合は1週間以上の間隔をあけて1日用量として0.5mg(1カプセル)ずつ行ってください。ただし、1回の服用量の上限は2.5mg(5カプセル)、1日の服用回数の上限は4回としてください。
詳細は電子添文をご参照ください。

A

アグリリンカプセル0.5mgの電子添文には、「健康被験者に本剤0.5mgを単回経口投与した際、絶食下投与と比較して、本剤のtmaxは食後投与で2倍以上に延長し、本剤の吸収の遅延が認められた。また、絶食下投与と比較して、本剤のCmax及びAUC0-∞は食後投与でそれぞれ44及び20%低下した。本剤のt1/2に対する食事摂取の影響は認められなかった。」と記載しています1)。  
本態性血小板血症患者を対象とした国内第Ⅲ相試験(SPD422-308試験)においては、用法・用量として食事の摂取時期を規定せず、アグリリンカプセル0.5mgの有効性及び安全性が示されました2)  
空腹時に比べ、食後に服用することにより吸収の遅延や低下が報告されていますが、食前または食後に服用する規定はありません。通常、1日2回経口投与より開始し、患者さんの状態により上限の4回まで医師が適宜増減する薬です。薬を服用する回数や時間については食事の影響をご考慮の上、服薬指導をお願いいたします。

【SPD422-308試験】3)  
SPD422-308試験は、ヒドロキシカルバミドに対して不応性又は不耐容で、血栓・出血性事象のリスク因子(血小板数100万/μL超、60歳超、又は血栓出血性事象の既往歴)を有する本態性血小板血症患者に本剤0.5mg・1日2回投与を1週間以上継続後、血小板数を60万/μL未満、望ましくは15万~40万/μLに減少させ、そのレベルを維持するため、患者ごとに用量を調節しつつ投与した国内第III相試験です。  
主目的は、他の細胞減少療法剤に不耐容性または難治性を示す高リスクの本態性血小板血症の日本人成人被験者を対象にアグリリンの血小板数減少の有効性及び安全性を評価することでした。

(参考資料)

  1. アグリリンカプセル0.5mg 電子添文
  2. アグリリンカプセル0.5mg 審査報告書
  3. Kanakura Y, et al.: Int J Hematol. 2014; 100: 353-360.

3.副作用について

A

副作用は53例中49例(92.5%)に認められました。主な副作用は、貧血26例(49.1%)、頭痛23例(43.4%)、動悸18例(34.0%)、下痢12例(22.6%)及び末梢性浮腫12例(22.6%)でした。重度な副作用は、頭痛が2例(3.8%)、動悸、プリンツメタル狭心症、視力障害、悪心、嘔吐、浮腫、肺炎、脳梗塞が各1例(1.9%)に認められました。

(承認時)[国内第Ⅲ相臨床試験(SPD422-308試験及びSPD422-309試験)]

A

本剤のPDEⅢ阻害作用を介して生じると考えられる副作用の多くは、投与開始3ヵ月以内にみられます。患者さんへのご説明にあたっては、患者指導箋を是非ご活用ください。

《心臓障害の発現時期1,2)
■心臓障害の発現時期:国内第Ⅲ相臨床試験(SPD422-308試験およびSPD422-309試験:全TEAE)

 投与期間(ヵ月)
0~3
(n=53)
n(%)
4~6
(n=46)
n(%)
7~9
(n=43)
n(%)
10~12
(n=43)
n(%)
13~15
(n=41)
n(%)
16~18
(n=41)
n(%)
19~21
(n=36)
n(%)
22~24
(n=22)
n(%)
25~27
(n=17)
n(%)
28~30
(n=6)
n(%)
動悸17(32.1)1(2.2)2(4.7)0000000
心囊液貯留1(1.9)1(2.2)00000000
上室性期外収縮001(2.3)1(2.3)000000
頻脈1(1.9)1(2.2)00000000

《頭痛の発現時期1,2)
■頭痛の発現時期:国内第Ⅱ相臨床試験(SPD422-308試験およびSPD422-309試験:全TEAE)

 投与期間(ヵ月)
0~3
(n=53)
n(%)
4~6
(n=46)
n(%)
7~9
(n=43)
n(%)
10~12
(n=43)
n(%)
13~15
(n=41)
n(%)
16~18
(n=41)
n(%)
19~21
(n=36)
n(%)
22~24
(n=22)
n(%)
25~27
(n=17)
n(%)
28~30
(n=6)
n(%)
頭痛22(41.5)2(4.3)001(2.4)001(4.5)00

(参考資料)

  1. Kanakura Y, et al.: Int J Hematol 100 (4): 353-360, 2014
  2. 社内資料: 国内第II相臨床試験(SPD422-309試験)(承認時評価資料)


 

A

発生機序:本剤投与を受ける本態性血小板血症患者における貧血の原因は明らかではありません。
対策・対処法:定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行ってください。異常が認められた場合は、減量、休薬又は投与中止などの適切な処置を行ってください。

A

発現時期:主に投与開始後0〜3ヵ月に認められます。
発生機序:PDEⅢ阻害作用を介して生じると考えられます(PDE阻害薬誘発頭痛)。
特徴:PDE阻害薬誘発頭痛では、拍動性の頭痛を呈することが多いとされています1)。拍動性の頭痛は、頭の両側が痛くなり、脈打つような痛みで身体を動かすと悪化するのが特徴です。
投与前・投与中の対策:投与開始後2週間は、頭痛の副作用が生じやすいことを患者さんに指導してください2)。また、投与開始3ヵ月以降(長期)は、頭痛の発現頻度は2割以下に減少するとのデータがあります(海外データ)3)

対処法:安静にし、頭痛がやわらぐのを待ちます。一般的な鎮痛剤の投与で対処できることもあります。症状が軽減しない場合は、減量、休薬又は投与中止などの適切な処置も検討してください。

(参考資料)

  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 頭痛(平成22年3月), 2010
  2. Frewin R et al.: Int J Clin Pract 66(10): 976-983, 2012
  3. Storen E et al.: Blood 97(4): 863-866, 2001

A

発現時期:主に投与開始後0〜3ヵ月に認められます。
発生機序:アナグレリドおよびその活性代謝物3-ヒドロキシアナグレリドがcAMPを分解するPDEⅢを阻害することで、陽性変力作用、陽性変時作用及び末梢血管拡張作用があらわれることによるものと考えられます。
対策・対処法:カフェインの摂取を控えてください。回復するまで本剤の投与量を調節する、又は投与スケジュールの変更(同用量で服薬回数を増やす)が有効な場合があります。症状が軽減しない場合は、減量、休薬又は投与中止などの適切な処置を行ってください。

A

多くの場合すぐに治まることが多いです。長引くときは主治医に相談してください。一般的な下痢止めで対処できることもあります。

A

むくみがひどく我慢できないときは主治医に相談してください。水分を排出させるお薬で対処できることもあります。

A

1回の服用量が多い場合、頭痛や動悸などが生じる可能性があります。副作用発現の回避や低減が必要な場合は、1日の中での服用回数を増やすことをご検討ください。ただし、1回の服用量の上限は2.5mg(5カプセル)、1日の服用回数の上限は4回としてください。