製品に関するWeb講演会
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ハイキュービア は、感染症から体を守る免疫グロブリン (Ig) 抗体を含む液剤の薬で、無又は低ガンマグロブリン血症の治療のため皮下に投与されます。
ハイキュービアは、人免疫グロブリンとボルヒアルロニダーゼ アルファの組み合わせ医薬品です。
ボルヒアルロニダーゼ アルファは結合組織におけるヒアルロン酸の脱重合を介する(加水分解)ことにより、皮下組織における浸透性を増加させることで、IgGの拡散吸収を促進します。
(低出生体重児、新生児、乳児及び2歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していません)
参考資料:電子添文、総合製品情報概要
ボルヒアルロニダーゼ アルファ注射液 および 人免疫グロブリン注射液輸液は、輸液ポンプ等を用いて投与してください。
ボルヒアルロニダーゼ アルファ注射液については手動でも投与可能です。
(電子添文の記載)
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液については、輸液ポンプ等又は手動にて投与すること。
14.2.2 人免疫グロブリン注射液については、投与速度の調節可能な輸液ポンプ等を用いて投与すること。
参考資料:電子添文
光の影響を防ぐために、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で、凍結を避け2~8℃で保存してください。
冷蔵庫で保存する場合には、使用前に室温に戻し、室温に戻した後は、再び冷蔵庫に戻さず、3カ月以内に使用してください。
参考資料:電子添文
「本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者」が禁忌対象です。
本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者に本剤を投与した場合、ショック等の重篤な過敏性反応が誘発されるおそれがあるので、本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者への本剤の投与は避けてください。
参考資料:電子添文
電子添文に、重大な副作用として下記の項目を記載しています。
・アナフィラキシー (頻度不明)
悪寒、全身紅潮、胸部不快感、頻脈、脈拍微弱、血圧低下、喘嗚、呼吸困難、チアノーゼ等
・無菌性髄復炎症候群 (頻度不明)
項部硬直、頭痛、発熱、羞明、悪心又は嘔吐等
・急性腎障害 (頻度不明)
腎機能検査値(BUN、血清クレアチニン等)の悪化、尿量減少
・血栓塞栓症 (頻度不明)
血液粘度の上昇等により、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓症、深部静脈血栓症等、中枢神経症状(めまい・意識障害・四肢麻痺等)、胸痛、突然の呼吸困難、息切れ、下肢の疼痛・浮腫等
・肝機能障害・黄疸(1.1%)
・血小板減少(頻度不明)
・肺水腫(頻度不明)
ただし、国内外の臨床試験において、アナフィラキシー、無菌性髄復炎症候群、急性腎障害に関する有害事象は認められませんでした。
血栓塞栓症に関しては、1例2件報告され、本剤との因果関係は、関連なし・おそらく関連無しと判断されました。
参考資料:電子添文、インタビューフォーム
本剤には供血者由来の各種抗体(各種感染症の病原体又はその産生物質に対する免疫抗体、自己抗体等)が含まれており、投与後の血中にこれらの免疫抗体が一時検出されることがあるので、臨床診断には注意を要します。また、供血者由来の赤血球型抗原に対する抗体(抗A、抗B及び抗D抗体)により、赤血球型同種抗体の血清学的検査(クームス試験)に干渉することがあります。
また、製造工程にウイルス除去膜等からβ‐D‐グルカンが溶出する工程が含まれているため、製剤中にも微量含まれます。製剤の投与量に比例してβ‐D‐グルカン値が上昇し、大量投与で検出される可能性があります。
参考資料:電子添文
非経口用生ワクチン〔麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチン、水痘ワクチン等〕:
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3 ヵ月以上延期してください。
また、生ワクチン接種後14 日以内に本剤を投与した場合は、投与後3 ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましいとされています。
参考資料:電子添文
無又は低ガンマグロブリン血症です。
通常、人免疫グロプリン Gとして150~600mg (1.5~6mL)/kg体重を3週間に1回又は200~800mg(2~8mL)/㎏体重を4週間に1回投与する。
ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組み換え)は、人免疫グロブリンG 1g あたり 80単位(0.5mL)を投与する。
なお、患者の状態に応じて3週又は4週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減が可能です。
参考資料:電子添文
必ずボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液から先に注入してください。
ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)投与後、約10分以内に同じ部位へ人免疫グロブリン注射液を皮下投与してください。
ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液と人免疫グロブリン注射液を混合しないでください。
ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液については、輸液ポンプ等又は手動にて投与してください。
人免疫グロブリン注射液については、投与速度の調節可能な輸液ポンプ等を用いて投与してください。
腹部中央から上腹部及び大腿部等に皮下投与してください。
2ヵ所又 は3ヵ所から投与する場合、各注入部位は腹部中央から上腹部の反対側で10cm以上の間隔をあけるか、反対側の大腿部としてください。
骨の隆起、瘢痕、炎症又は感染のある部位は避けてください。
投与部位は3ヵ所までとし、1日あたりの人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの最大投与容量は、体重40㎏未満で、投与部位数が 1~2か所の場合は 200mL/部位、3か所の場合は 200mL/部位です。
体重40㎏以上で、投与部位数が 1~2か所の場合は 600mL/部位、3か所の場合は 400mL/部位です。
参考資料:電子添文
本剤は調製不要の液剤です。希釈せずに投与してください。
参考資料:電子添文
(1)ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液の投与速度は、投与部位あたり1~2mL/分、又は忍容性に応じて調整してください。
人免疫グロブリン注射液は、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液の注入終了後約10分以内に同じ翼状針投与セットから投与してください。
(2)人免疫グロブリン注射液の投与部位あたりの投与速度は、最初の2回は体重40㎏未満の患者の場合5mL/時間、体重40㎏以上の患者では10mL/時間から開始し、5~15分ごとに漸増し、最大で体重40㎏未満の患者では80mL/時間まで、体重40㎏以上の患者では240mL/時間まで増加が可能です。その後の投与では、開始時は体重40㎏未満の患者では10mL/時間、体重40㎏以上の患者では10mL/時間とし、最大で体重40㎏未満の患者では160mL/時間まで、体重40㎏以上の患者では300mL/時間まで増加が可能です。
詳細な投与スケジュールについては電子添文をご参照ください。
参考資料:電子添文
他の製剤との混注は避けてください。
また、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)注射液と人免疫グロブリン注射液も混合しないでください。
参考資料:電子添文、インタビューフォーム
同意書の取得は必須ではありません。ただし万が一に備えて、同意書を取得いただくことが望ましいと考えられます。
医薬品医療機器法
(特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六八条の二一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
参考資料:医薬品医療機器法
未使用の血漿分画製剤は、非感染性廃棄物として取り扱ってください。
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
参考資料:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル
【本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者は禁忌です】
一度本剤の成分に対して過敏症を起こした既往歴のある患者に投与した場合、再度過敏性反応が起こることが考えられます。
また、本剤は微量のIgAを含有するため、抗IgA抗体を有する患者は、過敏反応を起こすリスクが高いと考えられます。
参考資料:電子添文
IgGの皮下投与は、静脈内投与に比べて血清IgG濃度の変動幅が減少することから結果的に高いトラフ値を得ることができますが、単一の投与部位に注入できる容量は限られ、また静脈内投与に比てべバイオアベラビリティが低く、1又は2週間間隔と頻回な投与が必要となります。
ハイキュービアは、IgG(10%)の投与前にボルヒアルロニダーゼ アルファを皮下投与することで、局所的に皮下組織の透過性を一時的に高め、直後に投与するIgGの吸収と拡散を促進し、IgGの皮下への大量投与が可能となり、3~4週間隔でのIgG皮下投与を行うことができます。
参考資料:インタビューフォーム
使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので再使用しないでください。
参考資料:電子添文