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アドセトリス 適正使用のためのQ&A
アドセトリス 適正使用ガイド
アドセトリス副作用アーカイブ:末梢神経障害
アドセトリス副作用アーカイブ:好中球減少症
<未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫1)>
ドキソルビシン塩酸塩、ビンブラスチン硫酸塩及びダカルバジンとの併用において、通常、ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)として以下の用量を2週間に1回、最大12回点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
■成人には、1回1.2mg/kg(体重)
■小児には、1回48mg/m2(体表面積)
<未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫1)>
シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩及びプレドニゾロンとの併用において、通常、成人には、ブレンツキシマ ブベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回1.8mg/kg(体重)を最大8回点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
<再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫>
通常、ブレンツキシマブベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回1.8mg/kg(体重)を点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。
■成人
ホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫における外国臨床試験(SG035-0003試験及びSG035-0004試験)では17サイクル以上の投与経験がありますが、日本人患者(国内臨床試験:TB-BC010088試験)では17サイクル以上の投与経験はありません2)。
■小児
2歳以上18歳未満の再発又は難治性のホジキンリンパ腫及び全身性未分化大細胞リンパ腫を対象とした、海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(非盲検試験:C25002試験)では最大16サイクルまで投与しましたが、引き続き臨床的ベネフィットが得られると判断された患者に限定し16サイクルを超えて投与しました。国内第Ⅰ相試験(非盲検試験:BV-HLALCL試験)では中止基準に該当しない限り投与しました1)。
(参考資料)
アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
アドセトリス 適正使用のためのQ&A
14.1 薬剤調製時の注意1)
14.1.1 溶解
(1)本剤は、1バイアルに日局注射用水10.5mLを加えると、濃度5mg/mLの溶解液になる。溶解の際には、日局注射用水をゆっくりとバイアル内に注入し、泡立てないよう静かに回転させて混和すること。溶解後の液は無色澄明〜わずかに乳白色であることを確認する。変色や粒子が認められた場合は使用しないこと。
<必要量の計算>
必要量(mL)=用量(mg/kg)×体重注1)(kg)/5(mg/mL)
注1)体重が100kgを超える場合は100kgとして計算する。
(2)溶解後速やかに希釈しない場合は、2〜8℃(凍結させないこと)で保存し、24時間以内に投与すること。未使用分は廃棄すること。
14.1.2 希釈1)
(1)必要量をバイアルから抜き取り最終濃度が0.4〜1.2mg/mLとなるように日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈する。強く攪拌すると凝集体を形成するおそれがあるので、バッグを静かに回転させて混和すること。他剤と混和してはならない。
(2)希釈後速やかに投与しない場合は、2〜8℃(凍結させないこと)で保存し、溶解後から24時間以内に投与すること。未使用分は廃棄すること。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
電子添文に、成人は、アドセトリスを2週間に1回、1.2mg/kg(体重)を最大12回投与することと記載されています。
小児は、2週間に1回、48mg/m2(体表面積)を最大12回投与です1)。
A:ドキソルビシン(アドリアシン®など)、V:ビンブラスチン(エクザール®)、D:ダカルバジン(ダカルバジン®)については弊社として規定はございません。臨床試験の情報などをもとにご判断ください。
ご参考までに国際共同第Ⅲ相試験(C25003試験[ECHELON-1試験])及び国際共同第I/II相試験(C25004試験)における規定をご案内します2,3)。
4週間を1サイクルとし、各サイクルの1及び15日目に
A:ドキソルビシン(アドリアシン®など):25mg/m2
V:ビンブラスチン(エクザール®):6mg/m2
D:ダカルバジン(ダカルバジン®):375mg/m2
を投与しました。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- Connors JM, et al.: N Engl J Med. 2018 Jan 25; 378(4): 331-344.
- アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
アドセトリス点滴静注用50mgの電子添文には、投与順序の規定はございません1)。
投与時間については、アドセトリス点滴静注用50mgについては30分以上かけて投与してください。併用薬剤であるシクロホスファミド水和物(C)、ドキソルビシン塩酸塩(H)、プレドニゾロン(P)については弊社の規定はございません。
なお配合変化を検討した成績がございませんので、アドセトリス点滴静注用50mgの投与前後にはフラッシュを行ってください。
ご参考までに国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験[ECHELON-2試験])における規定をご案内します2)。
具体的な投与順、投与時間についてCHP療法部分はプロトコール上規定はなく、施設毎の基準で投与することとなっておりました。
アドセトリスについては、点滴静注する薬剤(シクロフォスファミド[エンドキサン® ] 、ドキソルビシン[アドリアシン® ] 、盲検のために使用された生理食塩液)の投与後1時間以内に30分以上かけて投与することとされておりました。
なお配合変化を検討していないため、アドセトリスの投与前後にはフラッシュを行っていただきますようお願いいたします。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- Horwitz S et al.; Lancet. 2019 Jan 19; 393(10168): 229-240. [PMID: 30522922]
- ClinicalTrials. gov, NCT01777152 Study Protocol
電子添文には嘔吐に対するプレメディケーションに関する記載はございません1)。
ご参考までにA+CHP療法の国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験[ECHELON-2試験])においては嘔吐に対してプレメディケーションをすることは必須ではありませんでしたが、施設毎の基準に沿って制吐剤の予防投与をすべきとされておりました2)。
制吐剤の使用状況は不明ですが、国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験[ECHELON-2試験])においてはA+CHP群223例中、悪心103例(46%)、嘔吐57例(26%)に認められております3)。
日本癌治療学会「制吐薬適正使用ガイドライン」2015年10月【第2版】において、催吐性リスク分類にA+CHP療法の記載はございません4)。
ご参考までに、アドセトリス単独では軽度リスクに分類されております。
CHOP療法は高度リスクに分類されております。
高度(催吐性)リスク | >90% |
中等度(催吐性)リスク | 30~90% |
軽度(催吐性)リスク | 10~30% |
最小度(催吐性)リスク | <10% |
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- Horwitz S et al.; Lancet. 2019 Jan 19; 393(10168): 229-240. [PMID: 30522922]
- アドセトリス 適正使用ガイド
- 制吐薬適正使用ガイドライン 2015年 10月【第2版】:日本癌治療学会編集
<未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫1)>
■発熱性好中球減少(FN)
国際共同第Ⅲ相試験(C25003試験:ECHELON-1試験)では、発熱性好中球減少症はA+AVD群、ABVD群ともにサイクル1で最も多く認められました。
サイクル1で認められた発熱性好中球減少症は、A+AVD群で62例(9%)、ABVD群で26例(4%)でした。その後いずれの治療群でも発熱性好中球減少症の発現頻度は低下しました。
<未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫1)>
■発熱性好中球減少(FN)
国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験:ECHELON-2試験)では、発熱性好中球減少症の初回発現までの期間の中央値は、A+CHP群で1.9週(範囲:1〜23週)、CHOP群で1.6週(範囲:1〜23週)でした。また、回復までの期間の中央値は、A+CHP群で0.9週(範囲:0〜2週)、CHOP群で0.9週(範囲:0〜3週)でした。
<再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫1)>
■好中球減少症
再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫を対象とした、好中球減少症のサイクル別初回発現例数の解析では、国内第Ⅰ/Ⅱ相試験並びに、海外第Ⅱ相試験2試験で、好中球減少症を発現した症例のそれぞれ13例中11例、34例中28例がサイクル4までに発現していました。
<参考情報:発熱性好中球減少(FN)の好発時期>
一般的な抗がん剤投与による白血球・好中球数減少の発現時期は、投与7日~14日後で、最低値となり、回復に約1~2週間かかります。好中球が最低値の時期(ナディア期)が最も感染症に罹患しやすい状況となり、FNの好発時期もこの時期に重なります1)。
(参考資料)
- アドセトリス 副作用アーカイブ好中球減少
アドセトリス点滴静注用50mgの電子添文には、効能共通の注意として、好中球減少症が発現した場合には、以下の基準を参考に、アドセトリス点滴静注用50mgを休薬してください1)。
好中球数 | 処置 |
1,000/mm3以上 | 同一用法・用量で、投与を継続する。 |
1,000/mm3未満 | ベースライン又は、1,000/mm3以上 に回復するまで休薬する。 |
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
<未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫(AVD併用投与)1)>
■成人
国際共同第Ⅲ相試験(C25003試験(ECHELON-1試験))では、末梢性ニューロパチー(SMQ)(有害事象)は、A+AVD群で442例(67%)、ABVD群で286例(43%)に認められました。
末梢性ニューロパチー(SMQ)が認められた被験者における末梢性ニューロパチーの初回発現までの期間の中央値は、A+AVD群で8.0週(範囲:0~29週)、ABVD群で7.0週(範囲:0~32週)でした。
また、最悪Gradeの初回発現までの期間の中央値は、A+AVD群で12.0週(範囲:0~29週)、ABVD群で8.0週(範囲:0~32週)でした。
■小児
国際共同第Ⅰ/Ⅱ相試験(C25004試験)では、治験治療下で発現した末梢性ニューロパチー(SMQ)(有害事象)は14例(24%)に認められました。
末梢性ニューロパチー(SMQ)が認められた被験者における末梢性ニューロパチー(SMQ)の初回発現までの期間の中央値は5.93週(範囲:0.9~19.9週)でした。
また、最悪Gradeの初回発現までの期間の中央値は、A+CHP群で10.0週(範囲:0~40週)、CHOP群で6.5週(範囲:0~30週)でした。
<未治療のCD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫(CHP併用投与)1)>
■成人
国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験(ECHELON-2試験))では、末梢性ニューロパチー(SMQ)(有害事象)は、A+CHP群で117例(52%)、CHOP群124例(55%)に認められました。
末梢性ニューロパチー(SMQ)が認められた被験者における末梢性ニューロパチーの初回発現までの期間の中央値は、A+CHP群で9.1週(範囲:0~21週)、CHOP群で6.1週(範囲:0~24週)でした。
また、最悪Gradeの初回発現までの期間の中央値は、A+CHP群で10.0週(範囲:0~40週)、CHOP群で6.5週(範囲:0~30週)でした。
(参考資料)
- アドセトリス 副作用アーカイブ末梢神経障害
<再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び末梢性T細胞リンパ腫(単独投与)1)>
■成人
外国第Ⅱ相試験(SG035-0003試験、SG035-0004試験:n=160)では、Grade3の末梢性ニューロパチー(SMQ)が21例(13%)報告されていました。
そのうち、投与終了時では15例でGrade3の末梢性ニューロパチーが持続していましたが、その後改善が認められ、最終追跡調査時点でGrade3の末梢性ニューロパチーが持続していた被験者は3例でした。
海外第Ⅱ相集団全体でGrade3の末梢性ニューロパチーが認められた被験者21例中18例(86%)は最終追跡調査時※に回復又は軽快が認められていました。
末梢性ニューロパチーの発現から回復又は軽快までの期間の中央値は16.1週(範囲:0.3~106.6)でした(n=142)。
※追跡調査期間の中央値は約1年(48.9週間)で全身性未分化大細胞リンパ腫被験者群の最終追跡調査期間の中央値は約9ヵ月(34.9週間)であり、ホジキンリンパ腫被験者群は、(49.9週間)でした。
■小児1)
海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(C25002試験)では、末梢性ニューロパチー関連事象が33例中11例(33%)に発現しました。
そのうち、10例において、ブレンツキシマブベドチンとの因果関係が否定できないと判断されました。
末梢性ニューロパチー関連事象により2例が投与延期後減量し、その後回復又は軽快しました。
Grade 3の末梢性運動ニューロパチー及び末梢性感覚ニューロパチーが認められた1例は、無処置で回復又は軽快しませんでしたが、それ以外の末梢性ニューロパチー関連事象は、無処置又は合併症処置後に回復又は軽快しました。
最終追跡調査時に、末梢性ニューロパチー関連事象が認められた11例中10例は、回復又は軽快しました。
Grade 3の末梢性感覚ニューロパチー及び末梢性運動ニューロパチーは、最終報告時点では継続中で、最終的な転帰は不明でした。
末梢性ニューロパチー関連事象の回復又は軽快が得られた時期の中央値は0.57週(範囲:0.1~26.0週)でした。
(参考資料)
- アドセトリス 副作用アーカイブ末梢神経障害
アドセトリス点滴静注用50mgは点滴静注です。
末梢静脈血管投与、中心静脈血管投与の規定はございません。
ご施設でご判断ください。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
電子添文の14.1 薬剤調製時の注意に、「本剤は、1バイアルに日局注射用水10.5mLを加えると、濃度5mg/mLの溶解液になる。溶解の際には、日局注射用水をゆっくりとバイアル内に注入し、泡立てないよう静かに回転させて混和すること。」とあります1)。
溶解に注射用水を使用する理由は2つあります。
1つ目はアドセトリスは凍結乾燥製剤(粉末)であり、注射用水で溶解することによってもとの溶液に戻すためです。
2つ目は注射用水以外で溶解した安定性や安全性のデータがないためです。
注射用水以外で溶解した際にお示しできる安定性、安全性のデータはございません。
本剤の溶解時には注射用水を用いるようお願いいたします。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
電子添文の14.1 薬剤調整時の注意の項に、「本剤は、1バイアルに日局注射用水10.5mLを加えると、濃度5mg/mLの溶解液になる。」、「必要量をバイアルから抜き取り最終濃度が0.4~1.2mg/mLとなるように日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈する。」とあります1)。
この濃度の規定は、品質の安定性と国内・外国の臨床試験での使用経験を踏まえて規定しています。
注射用水で溶解した本剤を「0.9%塩化ナトリウム注射液」で希釈した結果、本剤0.2~1.8mg/mLの濃度において製剤の品質に変化は認められず24時間まで安定でした。
また、注射用水で溶解した本剤を「5%ブドウ糖液」で希釈した結果では、本剤0.4~1.8mg/mLの濃度において製剤の品質に変化は認められず24時間まで安定でした。
しかし、再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした国内臨床試験(TB-BC010088試験)では0.4~1.2mg/mLを最終濃度と規定して実施し、1.2mg/mLを超える濃度での使用経験がないことから、本剤の希釈後の最終濃度は0.4~1.2 mg/mLと規定しました2)。
規定濃度を逸脱した場合の検討成績はありません。
本剤の希釈は最終濃度が0.4~1.2mg/mLとなるようにお願いいたします。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- アドセトリス 適正使用のためのQ&A
アドセトリス点滴静注用50mgの電子添文には、排泄物の取り扱いに関して注意喚起しておりません。
なお、がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン2019年版には、Hazard Drugの定義を一つ以上満たす薬剤のリストとして記載されています。必要に応じて当ガイドラインをご参照いただき、ご施設の規定に従って対処いただければ幸いです1)。
(参考資料)
- 日本がん看護学会他(編集):がん薬物療法における職業性曝露対策ガイドライン2019年版 第2版. 2019:金原出版社. p132.
本剤は、日局注射用水に溶解し、日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に希釈して使用することをお願いしております。
配合変化を検討した成績はございません。
他の注射剤又は輸液との混合を避けていただくようお願いいたします。
また、本剤投与前後には、ラインを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュをお願いいたします1)。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
ABVD療法など前治療終了後からアドセトリスの投与間隔について、電子添文では明確な指標はございません。
しかしながら、アドセトリスとブレオマイシンは併用禁忌です。
ブレオマイシン塩酸塩を含む化学療法(ABVD療法)に本剤を併用したところ、非感染性の肺毒性の発現がABVD療法よりも高い頻度で認められたため禁忌とされております。
これらをもとに、医療機関にてご判断ください。
(参考資料)
アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
該当資料はございません。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
電子添文8.1、11.1.5にInfusion reactionに対しての注意喚起がございます。
8.1では「Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。
2回目以降の本剤投与時に初めて重度のInfusion reactionを発現することもあるので、本剤投与中はバイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数等)、臨床検査値及び自他覚症状等、患者の状態を十分に観察すること。」と記載がございます。
11.1.5ではInfusion reaction(7.8%)の記載として「アナフィラキシー(0.1%)、悪心(2.1%)、悪寒(0.9%)、そう痒症(0.5%)、咳嗽(0.4%)、じん麻疹(0.3%)、呼吸困難(0.5%)、低酸素症(0.2%)等を含むInfusion reaction があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中断し、適切な処置(酸素吸入、昇圧剤、解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤の投与等)を行うとともに、症状が回復するまで患者を十分に観察すること。また、投与再開する場合は、必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること。重篤なInfusion reactionが認められた場合は、投与を中止すること。」とございます1)。
国際共同第Ⅲ相試験(C25003試験(ECHELON-1試験))においては、Infusion reactionに対するプレメディケーションは必須ではございませんでした。
しかしながら、アドセトリスの投与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行ったうえで開始してください。
また、本試験のプロトコールではアドセトリス投与でGrade1もしくは2のInfusion reactionを経験した患者に対して、アセトアミノフェン650mg経口やジフェンヒドラミン25-50mg経口もしくは10-25mg静注を本剤投与30-60分前に行うとされています2)。
Infusion reactionに対するプレメディケーションの必要性については、医療機関にてご判断ください。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- 国際共同第Ⅲ相試験(C25003試験(ECHELON-1試験)) Connors JM, et al.: N Engl J Med. 2018 Jan 25;378(4):331-344. [PMID: 29224502]およびそのprotocol(論文本文中にリンクあり)
アドセトリスの貯法は「遮光保存。凍結を避け、2~8℃で保存」です。
承認された貯法以外で保存された製品をヒトに投与した際の有効性、安全性は確立していませんので貯法を逸脱した製品の使用は弊社からはお勧めしておりません1)。
アドセトリスを注射用水で溶解する前の状態、バイアルのままでの安定性試験の内容は非公開です2)。
25℃でのデータですと、ご参考までになりますが注射用水で溶解後、生理食塩液に希釈した際の安定性データがインタビューフォームにございます。
アドセトリスを生理食塩液で0.2~1.8mg/mLに希釈し、ポリ塩化ビニル製、ポリオレフィン製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製及びエチレン酢酸ビニル製の静脈内投与用バッグ内で、25℃及び2~8℃で24時間保存したとき、本剤の品質(性状、たん白質濃度、純度、生物活性、不溶性微粒子数等)に変化は認められませんでした3)。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- アドセトリス 申請資料概要 3_品質に関する総括評価
- アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
添加剤を合わせて、891.2mgです。
アドセトリスとしては、55mgです。
(参考資料)
アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
電子添文の効能又は効果は、末梢性T細胞リンパ腫です1)。
保険請求の可否については地域審査機関へお問い合わせをお願いいたします。
<臨床試験について2)>
未治療の末梢性T細胞リンパ腫についてはアドセトリスとCHP併用の国際共同第Ⅲ相試験(SGN35-014試験[ECHELON-2試験])に成人T細胞白血病患者が含まれています。
A+CHP群で4例(全226例)、CHOP群で3例(全226例)です。
なお、アドセトリス単剤を使用する再発難治の試験(承認時)では成人T細胞白血病患者を含んでいるものはありません。
(参考資料)
- アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
- アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
MMAE※の主な排泄経路は糞中です。
※微小管阻害作用を有する抗がん剤(モノメチルアウリスタチンE)
(参考資料)
アドセトリス点滴静注用50mg インタビューフォーム
電子添文上、肝機能障害患者に対して9.3「減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。MMAEの血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。」また、警告1.2では「外国臨床試験において、中等度及び重度の肝機能障害を有する患者に対して本剤を投与後に真菌感染症により死亡に至った例が報告されていることから、これらの患者への投与の可否を慎重に判断すること。」と注意喚起しております。
具体的な用量については弊社で定めたものはございません。ご施設のご判断でお願いいたします。
(参考資料)
アドセトリス点滴静注用50mg 電子添文
国内外の主要団体によるガイドラインや文献等には、本剤について組織傷害性分類の記載がなく、推奨する対処法も示されていません。
参考情報として、カナダのオンコロジーグループのCEPO(the Comité de l’évolution des pratiquesen oncologie)による「血管外漏出時マネジメントのリコメンデーション」において、本剤の組織傷害性の分類は「非炎症性抗がん剤」とされており、対処法も6Stepに分けて記載されています1)。
(参考資料)
- Boulanger J, et al.: Support Care Cancer 2015; 23(5): 1459-1471. [PMID: 25711653]