免疫不全ライブラリー
診断の流れ
医師が抗体産生不全症を疑う場合は、以下の流れに沿って診断を行います1,2,3。
ジェフリーモデル基金により、原発性免疫不全症候群(PID)診断のための4段階検査が提唱されています4。
ジェフリーモデル基金により、原発性免疫不全症候群(PID)診断のための4段階検査が提唱されています4。
Reference
1.Buckley RH, ed. Immune Deficiency Foundation Diagnostic and Clinical Care Guidelines for Primary Immunodeficiency Diseases. 3rd ed. IDF; 2015
2.Mucke U, et al. Front Immunol. 2017; 8: 384.
3.Peterson MC, et.al.West J Med. 1992; 156(2): 163-5
4.Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology. [Available from: http://downloads.info4pi.org/pdfs/JMF_4Stages_Poster_051721.pdf ](Accessed; Feb. 2022)
検査の流れ
PIDの診断には、4段階での検査が推奨されています1。
PIDの診断においては、特に現病歴とともに感染歴などの既往歴について正確な問診が重要であることが報告されています2,3。また、早期のStage 1の検査が重要です。
PID診断のための4段階検査
Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology.
http://downloads.info4pi.org/pdfs/JMF_4Stages_Poster_051721.pdf (2016). [Accessed; Feb. 2022]
【資料提供】防衛医科⼤学校 今井耕輔先生
Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology.
http://downloads.info4pi.org/pdfs/JMF_4Stages_Poster_051721.pdf (2016). [Accessed; Feb. 2022]
【資料提供】防衛医科⼤学校 今井耕輔先生
Reference
1.Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology. [Available from: http://downloads.info4pi.org/pdfs/JMF_4Stages_Poster_051721.pdf ](Accessed; Feb. 2022)
2.Mucke U et.al. Front Immunol. 2017; 8: 384.
3.Peterson MC et.al. West J Med. 1992. 156; 2: 163-5
抗体産生不全症が疑われる患者における検査所見1
* この場合、血清総蛋白質及び/又はアルブミン値を測定することが有用です。低値の場合、2次性低ガンマグロブリン血症の所見と一致します。
† 細胞性免疫は、他の臨床的特徴の指標として評価する必要がありますが、体液性免疫の重大な障害が観察された場合は、複合免疫不全の要素である可能性があるため、検討する価値があります。
* この場合、血清総蛋白質及び/又はアルブミン値を測定することが有用です。低値の場合、2次性低ガンマグロブリン血症の所見と一致します。
† 細胞性免疫は、他の臨床的特徴の指標として評価する必要がありますが、体液性免疫の重大な障害が観察された場合は、複合免疫不全の要素である可能性があるため、検討する価値があります。
Reference
1.Bonilla FA, et al. J Allergy Immunol. 2015;136(5):1186–1205
T細胞欠損症/B細胞欠損症の新生児スクリーニング
重症複合免疫不全症(SCID)などの早期診断と治療により、感染症による衰弱を防ぐことが可能です1。
定量的PCRは、成熟T細胞のマーカーであるTREC(T cell receptor excision circles)、成熟B細胞のマーカーであるKREC(kappa chain rearrangement excitation circles)が低値又は欠損している乳児を特定するために使用されます1。
-フローサイトメトリーによる2次スクリーニングは、T細胞数及びナイーブ細胞の割合、ナイーブB細胞数及びメモリーB細胞数を測定します。
世界におけるT細胞欠損症の新生児スクリーニングの実施状況1,2,3。
-米国のいくつかの州では、重症T細胞リンパ球減少症(SCID及びその他の状態)の新生児スクリーニングを実施しています1,2,3。
-南米(ブラジル)及びアジア(台湾)では、スクリーニングプログラムが確立されています4。
-欧州諸国(スウェーデン、ドイツ、英国、フランス、スペインを含む)では、試験的なスクリーニングプログラムが進行中です4。
-日本においては、公的新生児マススクリーニング検査のオプショナル検査として実施され、早期診断に寄与したことが報告されています5。
-乳児から血液を採取し、代謝や血液学的スクリーニングをルーティンに行います6。
PCR:ポリメラーゼ連鎖反応
Reference
1.Bonilla FA, et al. J Allergy Immunol. 2015; 136(5): 1186–1205
2.Gaspar HB, et al. J Clin Immunol. 2014; 34: 393–397
3.Borte S, et al. Int J Neonatal Screen. 2015; 1: 89–100
4.King and Hammarström. J Clin Immunol. 2018; 38: 56–66
5.名古屋大学医学部附属病院
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/news/news/2021/10/21112352.html (Accessed; Feb. 2022)
6.公益財団法人東京と予防医学協会 一般向けサイト
https://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/baby/public_index.html (Accessed; Feb. 2022)