後天性血友病A(Acquired Haemophilia A)
後天性血友病Aの治療は?
⽌⾎治療と免疫抑制療法に⼤別
⽌⾎治療には主にバイパス⽌⾎製剤を使⽤
免疫抑制療法によりインヒビター除去
後天性⾎友病Aの治療は出⾎に対する⽌⾎治療と、インヒビターの除去を⽬的とした免疫抑制療法に⼤別される。
⽌⾎治療には、活性型プロトロンビン複合体製剤(activated prothrombin complex concentrate;APCC)、遺伝⼦組換え活性型第Ⅶ因⼦製剤(recombinant activated factor Ⅶ;rFⅦa)、若しくは乾燥濃縮⼈⾎液凝固第Ⅹ因⼦加活性化第Ⅶ因⼦製剤(FX/FⅦa)が使⽤可能であり、それぞれの製剤の特徴を理解したうえで治療を⾏う。ただし、各製剤の優劣を⽰すエビデンスはないうえ、どの製剤がより効果的かを予測することはできないため、投与後の臨床症状の変化によって効果を判定する1,2)。
インヒビター⼒価が低い場合には、第Ⅷ因⼦製剤によるインヒビター中和療法、あるいはデスモプレシン酢酸塩⽔和物(DDAVP)が有効な場合もあるとされるが、効果が確実とはいえず、実臨床において使⽤されることはほとんどない3,4)。
後天性⾎友病A患者における⽌⾎機能の正常化、出⾎リスク除去のため、免疫抑制療法によるインヒビターの除去が必要となる。インヒビターの存在下では重篤な出⾎症状を発症する可能性があるため、診断後ただちに免疫抑制療法を開始する2)。
後天性血友病Aの治療
監修:天野 景裕 先⽣(東京医科⼤学 医学部医学科臨床検査医学分野 教授)
監修:天野 景裕 先⽣(東京医科⼤学 医学部医学科臨床検査医学分野 教授)
後天性血友病Aの治療について
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参考文献
1)天野景裕. 臨床血液 2018; 59(6): 756-763.(著者にバクスアルタ[現 武田薬品]より利益受領している者が含まれる)
2)日笠 聡. 臨床血液 2017; 58(7): 857-865.
3)朝倉英策. 日内会誌 2017; 106(9): 2010-2017.
4)白幡 聡、福武勝幸編. みんなに役立つ血友病の基礎と臨床. 医薬ジャーナル社, 2016, 464p.