APTTクロスミキシング試験とは?
APTTクロスミキシング試験とは?
先天性⾎友病A(凝固因⼦⽋乏)との鑑別を⾏うための試験
インヒビター存在下ではAPTT延⻑が補正されにくく、上に凸若しくは直線的に短縮するパターンを⽰す
APTTクロスミキシング試験は、APTTの延⻑が先天性の凝固因⼦⽋乏によるものか、インヒビターの出現によるものかを評価するための試験である。
インヒビター測定が可能な施設は限られているうえ、外注検査(保険適⽤)では結果が得られるまでに⻑期間要することがある。したがって、簡便な本試験が先天性⾎友病Aとの鑑別の参考となる1)。
患者⾎漿と正常⾎漿を各種⽐率で混合し、混合直後(即時反応)と、37℃で2時間インキュベーションしたのち(遅延反応)にAPTTを測定する1)。
先天性⾎友病A(凝固因⼦⽋乏)では正常⾎漿の添加によりAPTT延⻑が容易に補正され、下に凸のパターンを⽰す。⼀⽅、インヒビター存在下ではAPTT延⻑が補正されにくく、上に凸若しくは直線的に短縮するパターンを⽰す。なお、2時間のインキュベーションをしないと、インヒビターが⼗分に反応せず、上に凸のパターンが得られないことがある2)。
APTTクロスミキシング試験で得られるパターン(遅延反応)
画像(PC)
本文
監修:天野 景裕 先⽣(東京医科⼤学 医学部医学科臨床検査医学分野 教授)
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監修:天野 景裕 先⽣(東京医科⼤学 医学部医学科臨床検査医学分野 教授)
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参考文献
1)小川孔幸. 血栓止血誌 2018; 29(3): 262-272.
2)家子正裕. 機器・試薬 2012; 35(6): 867-872.
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