後天性血友病A(Acquired Haemophilia A)
後天性血友病Aとは?
重篤な出⾎症状を呈する難治性の出⾎性疾患
第Ⅷ因⼦に対する⾃⼰抗体によって発症
年間100万⼈に対して1.48⼈の発症率
おもに成⼈以降、これまで出⾎傾向の既往や家族歴がなかったにもかかわらず、⽪下出⾎や筋⾁内出⾎などの出⾎症状が突然出現する難治性の疾患である。
後天的に⾎液凝固第Ⅷ因⼦に対してインヒビター(⾃⼰抗体)が出現することで、第Ⅷ因⼦活性が著しく低下する。なお、先天性の⾎友病A患者が第Ⅷ因⼦補充療法を継続することで第Ⅷ因⼦に対するインヒビター(同種抗体)が出現することもあるが、後天性⾎友病Aとは異なる病態である1)。
⾃⼰抗体の発⽣機序は明らかではないが、⾃⼰免疫疾患、悪性腫瘍、分娩、糖尿病などの基礎疾患が認められ、基礎疾患のない患者は4分の1程度である2)。
英国の調査では、年間100万⼈に対して1.48⼈の発症率と報告されており3)、わが国の発症率も同程度であると推測される1)。わが国の調査では、男⼥⽐は1:0.9で明らかな性差は認められなかった。また、年齢分布は12〜85歳(中央値70歳)で、ピークは70歳代であった2)。
後天性血友病A患者における基礎疾患
目的・方法
日本国内における後天性凝固因子インヒビター患者の実態を把握するために3年間のアンケート調査を行った。
対象
国内42施設における後天性血友病A患者55例
解析計画
診断時の年齢やインヒビター値、第VIII因子活性 (FVIII:C) インヒビター最高値などの連続変数については、登録症例を生存群と死亡群に分けて Mann-Whitney's U検定によるノンパラメトリック解析を行った。
カテゴリー変数である性別や基礎疾患、診断時FVIII:C検出の有無、経過中の感染症合併の有無、止血療法や免疫抑制療法に対する反応性については、Kaplan-Meier法による生存分析を行った。
田中一郎ら. 血栓止血誌 2008; 19 (1): 140-153.
目的・方法
日本国内における後天性凝固因子インヒビター患者の実態を把握するために3年間のアンケート調査を行った。
対象
国内42施設における後天性血友病A患者55例
解析計画
診断時の年齢やインヒビター値、第VIII因子活性 (FVIII:C) インヒビター最高値などの連続変数については、登録症例を生存群と死亡群に分けて Mann-Whitney's U検定によるノンパラメトリック解析を行った。
カテゴリー変数である性別や基礎疾患、診断時FVIII:C検出の有無、経過中の感染症合併の有無、止血療法や免疫抑制療法に対する反応性については、Kaplan-Meier法による生存分析を行った。
田中一郎ら. 血栓止血誌 2008; 19 (1): 140-153.
参考文献
1)朝倉英策. 日内会誌 2017; 106(9): 2010-2017.
2)田中一郎ら. 血栓止血誌 2008; 19(1): 140-153.
3)Collins P, et al: BMC Res Notes 2010; 3: 161-168.