PIDの治療
監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
原発性免疫不全症(PID)の治療
PIDの治療を実施可能な医療機関を示しています(図)。疾患や重症度によって治療法が選択されますが、医療機関種類別の代表的なPID治療法についてご紹介します。
注意)各薬剤において承認されている効能又は効果は電子添文等でご確認ください。
図:医療機関種類別の代表的なPID治療法
代表的なPIDとその治療
PIDは、免疫系の破綻をきたしていることから、感染症の予防と感染初期の対策が重要です。
01|抗微生物薬の予防投与
軽症例では、異常の見られる免疫系に応じて抗菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬の予防内服が効果的です。
02|免疫グロブリン補充療法
抗体欠乏を主徴とする免疫不全症では、ヒト免疫グロブリン製剤の補充により、易感染性、反復感染、感染症の重症化・遷延、日和見感染の抑制が期待できます。
03|G-CSF、IFN-γ投与
好中球減少症では顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF:granulocyte colony stimulating factor)の定期投与、慢性肉芽腫症の一部ではIFN-γ(interferon-gamma)の定期投与が有効です。
04|造血細胞移植
重症複合免疫不全症(SCID)などの重症なPIDでは、早期に造血細胞移植が選択されます。造血細胞移植は、PIDを背景に起こる感染症や合併症としての腫瘍、自己免疫疾患、炎症などがコントロール困難となることが予想される場合に適応となるPIDに対する根本治療です。移植時に感染症や合併症がある場合、移植成績が低下してしまうため、移植する年齢や時期など注意深い管理が必要になります。その他、疾患・重症度に応じて、下表のような治療法が選択されます。
表:代表的なPIDとその治療
監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
注意)各薬剤において承認されている効能又は効果は電子添文等でご確認ください。
監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
注意)各薬剤において承認されている効能又は効果は電子添文等でご確認ください。