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【Service User】…2023/11/17(金) - 18:28 に投稿

PIDの診断

<p><span style="font-family:&apos;Noto Sans&apos;, -apple-system, BlinkMacSystemFont, &apos;Segoe UI&apos;, Roboto, &apos;Helvetica Neue&apos;, Arial, &apos;Noto Sans&apos;, sans-serif, &apos;Apple Color Emoji&apos;, &apos;Segoe UI Emoji&apos;, &apos;Segoe UI Symbol&apos;, &apos;Noto Color Emoji&apos;;font-size:12px;">監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生</span></p>

領域別情報・医療情報

PID ナビ(原発性免疫不全症)

PID ナビ(原発性免疫不全症)
原発性免疫不全症(PID)について
PIDを疑う10の徴候
PIDの診断
PIDの治療
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原発性免疫不全症(PID)の診断までの流れ(全体像)

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PIDを診断する際の一般的な流れは、JSIAD相談窓口を介する場合と介さない場合の2通りがあります。(図1-1,2)

※JSIAD(Japanese Society for Immunodeficiency and Autoinflammatory Diseases):日本免疫不全・自己炎症学会

図1-1:PIDの診断までの流れ(JSIAD相談窓口を介さない場合)

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図1-2:PIDの診断までの流れ(JSIAD相談窓口を介する場合)

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監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
日本免疫不全・自己炎症学会: JSIAD連携施設募集のご案内 PIDJ ver.2をもとに作図

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監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
日本免疫不全・自己炎症学会: JSIAD連携施設募集のご案内 PIDJ ver.2をもとに作図


PIDを診療している診療科

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PID患者さんは小児科を中心に、さまざまな診療科を受診しています。(図2)

図2:PIDの治療のために受診している担当科

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原発性免疫不全症(PID)患者の治療・生活実態を把握することを目的としたアンケート調査。
PIDつばさの会の会員及び全国のPID患者を対象に、調査用紙を3,000部以上配布し、2017年7月~11月にアンケート調査を実施した。165名(PID患者69名、患者の家族93名、その他3名)の回答をもとにPID患者の受診状況やQOLなどを評価した。

欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)バイオロジクス委員会 血液製剤部会/NPO法人PIDつばさの会:
原発性免疫不全症候群(PID)患者様の治療及びQOLに係る実態調査 アンケート調査結果 図8 より改変

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原発性免疫不全症(PID)患者の治療・生活実態を把握することを目的としたアンケート調査。
PIDつばさの会の会員及び全国のPID患者を対象に、調査用紙を3,000部以上配布し、2017年7月~11月にアンケート調査を実施した。165名(PID患者69名、患者の家族93名、その他3名)の回答をもとにPID患者の受診状況やQOLなどを評価した。

欧州製薬団体連合会(EFPIA Japan)バイオロジクス委員会 血液製剤部会/NPO法人PIDつばさの会:
原発性免疫不全症候群(PID)患者様の治療及びQOLに係る実態調査 アンケート調査結果 図8 より改変


早期診断の重要性

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PIDは早期診断及び早期治療開始により、感染症の罹患を減じる可能性があります。(図3)

図3:米国におけるPID患者の診断前後の1年間当たりの平均感染症数(海外データ)

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【対象】Jeffrey Modell Centers Networkに加盟している254施設の専門医にアンケート用紙を送付し、2010年から2011年にかけて特定のPID診断を受けた患者のデータを収集した。患者1人当たりの急性感染症や重症感染症、細菌性肺炎における診断前と診断後の1年間当たりの平均感染症数をt検定にて比較した。
【Limitation】
Jeffrey Modell Centers Networkの施設で報告されているPIDは地域差が存在している。

Modell V, et al.: Immunol Res. 2011; 51(1): 61-70. より作図

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【対象】Jeffrey Modell Centers Networkに加盟している254施設の専門医にアンケート用紙を送付し、2010年から2011年にかけて特定のPID診断を受けた患者のデータを収集した。患者1人当たりの急性感染症や重症感染症、細菌性肺炎における診断前と診断後の1年間当たりの平均感染症数をt検定にて比較した。
【Limitation】
Jeffrey Modell Centers Networkの施設で報告されているPIDは地域差が存在している。

Modell V, et al.: Immunol Res. 2011; 51(1): 61-70. より作図


診断の流れ

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PIDを疑う患者さんには、十分な既往歴や家族歴の聴取、十分な身体検査、診断スクリーニング検査、専門施設での検査の順で診断を行います1,2,3)。(図4)

この診断の流れは、ジェフリーモデル基金の提唱4)をもとに、日本語版「PID診断のための4段階検査(Stage0-4)」として提唱されています。(表)

図4:診断の流れ

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1)Buckley RH, ed: Immune Deficiency Foundation Diagnostic and Clinical Care Guidelines for Primary Immunodeficiency Diseases. 3rd ed. 2015
2)Mucke U, et al.: Front Immunol. 2017; 8: 384.
3)Peterson MC, et al.: West J Med. 1992; 156(2): 163-165.
4)Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology.
https://res.cloudinary.com/info4pi/image/upload/v1663588378/4_Stages_of_Testing_Updated_8_24_2021_ea64c6fdca.pdf?updated_at=2022-09-19T11:52:58.605Z
2024.1.12時点
 

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1)Buckley RH, ed: Immune Deficiency Foundation Diagnostic and Clinical Care Guidelines for Primary Immunodeficiency Diseases. 3rd ed. 2015
2)Mucke U, et al.: Front Immunol. 2017; 8: 384.
3)Peterson MC, et al.: West J Med. 1992; 156(2): 163-165.
4)Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunology.
https://res.cloudinary.com/info4pi/image/upload/v1663588378/4_Stages_of_Testing_Updated_8_24_2021_ea64c6fdca.pdf?updated_at=2022-09-19T11:52:58.605Z
2024.1.12時点
 

表:原発性免疫不全症診断のための4段階検査

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Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunodeficiency.
https://res.cloudinary.com/info4pi/image/upload/v1663588378/4_Stages_of_Testing_Updated_8_24_2021_ea64c6fdca.pdf?updated_at=2022-09-19T11:52:58.605Z
2024.1.12時点より改変・作図
監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生

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Jeffrey Modell Foundation: 4 Stages of Testing for Primary Immunodeficiency.
https://res.cloudinary.com/info4pi/image/upload/v1663588378/4_Stages_of_Testing_Updated_8_24_2021_ea64c6fdca.pdf?updated_at=2022-09-19T11:52:58.605Z
2024.1.12時点より改変・作図
監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生


診断の手順

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「PIDを疑う10の徴候」(図5)でPIDを疑い、専門施設で確定診断を受けるまでの流れを、「PID診断のための4段階検査」(表)をもとにご紹介します。

Stage0|「PIDを疑う10の徴候」(図5)に当てはまる患者さんに遭遇したら?

検査(調査)を行います。

 

図5:PIDを疑う10の徴候

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PIDJ: 原発性免疫不全症を疑う10の徴候(http://pidj.rcai.riken.jp/10warning_signs.html) 2023/1/10時点 より作成

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PIDJ: 原発性免疫不全症を疑う10の徴候(http://pidj.rcai.riken.jp/10warning_signs.html) 2023/1/10時点 より作成

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難病情報センター: 原発性免疫不全症候群(指定難病65)
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/pdf/10warning-AdultPID2015.pdf
2022/1/10時点 より作成

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難病情報センター: 原発性免疫不全症候群(指定難病65)
https://www.nanbyou.or.jp/wp-content/uploads/pdf/10warning-AdultPID2015.pdf
2022/1/10時点 より作成

Stage 0の「病歴(感染歴・家族歴)、身長、体重、身体所見」で特に重要なのは感染歴です。

合併しやすい感染症は疾患により異なるので(図6)、原因となる病原体を同定することが重要です。

 

図6:病原体からみた免疫異常

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厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 「原発性免疫不全症候群に関する調査研究」班 原 寿郎 編著:
患者・家族のための原発性免疫不全症候群 疾患概説書(http://pidj.rcai.riken.jp/genpatsuseimenekifuzen.pdf
2022.11.29時点

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厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患克服研究事業 「原発性免疫不全症候群に関する調査研究」班 原 寿郎 編著:
患者・家族のための原発性免疫不全症候群 疾患概説書(http://pidj.rcai.riken.jp/genpatsuseimenekifuzen.pdf
2022.11.29時点

Stage1-2|PIDの疑いがある・・・一般検査の進め方は?

まずは血算ならびに血液像を調べます。

Stage1の血液検査は、診療所や一般病院の外来でも実施可能です。典型的な疾患であれば、ある程度診断がつきます。
ウイルス感染症、真菌感染症、日和見感染症の場合には細胞性免疫不全症が疑われるため、リンパ球数、リンパ球サブセットを調べます。

Stage2の血液検査は主に総合病院で実施可能です。細菌感染症で抗体産生不全症を疑った場合には、血清免疫グロブリン値ならびに既感染や接種ワクチンに対する特異抗体価を測定します。

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Locke BA, et al.: Clin Rev Allergy Immunol. 2014; 46(2): 154-168. より改変

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Locke BA, et al.: Clin Rev Allergy Immunol. 2014; 46(2): 154-168. より改変

Stage3-4|専門医に相談してみませんか?

確定診断には、専門医に相談してフローサイトメトリーや遺伝子解析を行う必要があります。

Stage3以降の検査は、JSIAD連携施設(大学病院や専門施設)での実施となります。

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監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
日本免疫不全・自己炎症学会: JSIAD連携施設募集のご案内 PIDJ ver.2をもとに作図

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監修:東京医科歯科大学 小児地域成育医療学講座 教授 金兼 弘和 先生
日本免疫不全・自己炎症学会: JSIAD連携施設募集のご案内 PIDJ ver.2をもとに作図