IBD ステーション
<p>潰瘍性大腸炎・クローン病</p>
CD クローン病|分類
クローン病(CD)の診断が得られたら、適切な治療介入のために活動性、病変範囲、重症度を評価します。
病変部位による病型分類(図1)
CDの病型は縦走潰瘍、敷石像または狭窄の存在部位により、小腸型、小腸大腸型、大腸型に分類します1)、2)。これらの所見を欠く場合や稀な部位にのみ存在する場合は、特殊型とします。特殊型には、多発アフタ型、盲腸虫垂限局型、直腸型、胃・十二指腸型などがあります1)、2)。
図1:病変部位によるクローン病の病型分類
前本篤男、日比紀文監修:チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016
前本篤男、日比紀文監修:チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016
病態による病型分類
CDの病態による病型は、疾患パターンとして合併症のない炎症型、瘻孔形成を有する瘻孔形成型と狭窄性病変を有する狭窄型に分類します1)、3)。
重症度分類(表1)
CDの臨床的重症度は、CDAI(Crohn’s Disease Activity Index)、合併症、炎症所見、治療反応に基づいて、軽症、中等症、重症に分類します1)、2)。
表1:クローン病の臨床的重症度分類
※CDAI(Crohn's disease activity index)
厚⽣労働科学研究費補助⾦ 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)
令和3年度分担研究報告書潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和3年度 改訂版
※CDAI(Crohn's disease activity index)
厚⽣労働科学研究費補助⾦ 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)
令和3年度分担研究報告書潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和3年度 改訂版
活動度分類
CDの治療選択基準や治療効果判定では、臨床症状による活動性評価指数が用いられます3)。
・CDAI(Crohn’s Disease Activity Index)2)、3)(表2)
CDAIは、プラセボを対照とした治療薬の有効性を評価するために開発された指標で、臨床試験でも多く用いられます。7日間にわたる臨床症状(便回数、腹痛、一般状態)の評価や合併症、血液検査所見など8つの項目を組み合わせて点数化します。150点未満を寛解、150~450点を活動期、451点以上を重症活動期と判定します。
表2:CDAI(Crohn’s Disease Activity Index)
CDAI=X1+X2+X3+X4+X5+X6+X7+X8
CDAI<=150:寛解、CDAI>150:活動期(150~220:軽度、220~450:中等度、>450:高度)
※回腸造瘻術施行の場合、1/3として評価
前本篤男、日比紀文監修:チーム医療につなげる! IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016より一部改変
・IOIBD(The International Organization for Study of Inflammatory Bowel Disease)score 2)、3)(表3)
IOIBD scoreは診察時の所見のみで判定できます。1項目につき1点とした合計点数で、寛解は「IOIBD scoreが1または0で、赤沈、CRPがともに正常化の状態にあるもの」、再燃は「IOIBD scoreが2以上で、赤沈、CRPがともに異常なもの」と判定します。
CDAI=X1+X2+X3+X4+X5+X6+X7+X8
CDAI<=150:寛解、CDAI>150:活動期(150~220:軽度、220~450:中等度、>450:高度)
※回腸造瘻術施行の場合、1/3として評価
前本篤男、日比紀文監修:チーム医療につなげる! IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016より一部改変
・IOIBD(The International Organization for Study of Inflammatory Bowel Disease)score 2)、3)(表3)
IOIBD scoreは診察時の所見のみで判定できます。1項目につき1点とした合計点数で、寛解は「IOIBD scoreが1または0で、赤沈、CRPがともに正常化の状態にあるもの」、再燃は「IOIBD scoreが2以上で、赤沈、CRPがともに異常なもの」と判定します。
表3:IOIBD(The International Organization for Study of Inflammatory Bowel Disease)score
寛解:IOIBD scoreが1または0で、赤沈、CRPがともに正常化の状態にあるもの
再燃:IOIBD scoreが2以上で、赤沈、CRPがともに異常なもの
NPO法⼈ ⽇本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第3版, ⽂光堂, 東京, pp.10-20, 2021
寛解:IOIBD scoreが1または0で、赤沈、CRPがともに正常化の状態にあるもの
再燃:IOIBD scoreが2以上で、赤沈、CRPがともに異常なもの
NPO法⼈ ⽇本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第3版, ⽂光堂, 東京, pp.10-20, 2021
引用資料
1)厚⽣労働科学研究費補助⾦ 難治性疾患政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(久松班)
令和3年度分担研究報告書 潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 令和3年度 改訂版
2)日比紀文監修:チーム医療につなげる! IBD診療ビジュアルテキスト, 羊土社, 東京, pp.34-72, 2016
3)NPO法⼈ ⽇本炎症性腸疾患協会(CCFJ)編:クローン病の診療ガイド 第3版, ⽂光堂, 東京, pp.10-20, 2021
【監修】国立大学法人東京医科歯科大学 消化器内科 准教授 長堀 正和 先生